Claude CodeでHubSpotの成約率を正確に集計する方法

岩間悠一

岩間 悠一

元HubSpot Japan カスタマーサクセスマネージャー/Hareka合同会社 代表

200社以上のHubSpot導入を支援。現在はHubSpotコンサルタントとして独立。CRM導入から活用定着・AI連携まで一気通貫で支援しています。

「HubSpotの成約率って、どこで見るんですか?」——この質問を支援先の営業担当者からよく受けます。HubSpotに数字はあるんです。ダッシュボードにも表示されています。でも「この数字、本当に正しい?」と突っ込むと、途端に怪しくなる。成約率の集計は、実は思っているよりずっと複雑です。

結論:HubSpotの標準レポートの成約率は「定義が曖昧」なことが多く、Claude Codeで自分で集計式を定義して出した方が意思決定に使いやすくなります。

成約率の「定義問題」

まず成約率を集計する前に、自社の「成約率」の定義を明確にする必要があります。

よくある定義のパターン

パターンA:全商談ベース

成約率 = クローズ成功件数 ÷ (クローズ成功 + クローズ失敗) × 100

パターンB:提案フェーズ以降

成約率 = クローズ成功件数 ÷ 提案フェーズ以降に進んだ商談数 × 100

パターンC:リードベース

成約率 = 成約件数 ÷ 新規リード数 × 100

HubSpotの標準レポートはデフォルトでどの定義を使っているか、実は明示されていません。「成約率レポート」と書いてあっても、その計算式が何なのかを確認しないと、数字の意味がわかりません。

Claude Codeで「定義した成約率」を集計する

自分で定義した成約率をClaude Codeで集計する手順を紹介します。

ステップ1:Claude Codeに定義を伝える

HubSpotのAPIを使って以下の成約率を集計してください:

定義:「提案済み」ステージ以降に進んだ商談のうち、
過去3ヶ月以内にクローズした商談の成約率

計算式:クローズ成功件数 ÷ (クローズ成功 + クローズ失敗) × 100

期間:2026年1月〜3月(月別に出してください)
追加情報:担当者別にも分けてください

ステップ2:結果の確認

生成されたスクリプトを実行すると、以下のような出力が得られます:

## 成約率レポート(2026年1月〜3月)

### 月別成約率
| 月 | 成功 | 失敗 | 成約率 |
|----|------|------|--------|
| 1月 | 5件 | 8件 | 38.5% |
| 2月 | 7件 | 6件 | 53.8% |
| 3月 | 9件 | 4件 | 69.2% |

### 担当者別成約率(3ヶ月合計)
| 担当者 | 成功 | 失敗 | 成約率 |
|--------|------|------|--------|
| 岩間 | 12件 | 9件 | 57.1% |
| (別担当) | 9件 | 9件 | 50.0% |

ステップ3:外れ値・異常値の確認

成約率を見たら、必ず「おかしな数字がないか」を確認します:

このデータのうち、成約率が0%または100%の担当者がいれば、
その担当者の商談を一覧で出してください

成約率0%や100%は、データ入力漏れや分母が少なすぎる場合が多いです。

HubSpot標準レポートとの差異

同じ期間でHubSpot標準レポートと比較してみると、数字が微妙に違うことがあります。主な原因は:

1. 集計基準の違い HubSpotは「クローズ日」ベースで集計しますが、独自スクリプトでは「更新日」や「作成日」を使うと差異が出ます。

2. テストデータの混入 担当者が「テスト」「dummy」などと入力したデータが成約率の計算に混ざっていることがあります。

3. 削除された商談 HubSpotのUIから削除した商談はAPIでは取得されないため、数字が変わることがあります。

集計で見えてきた意外な事実

私が実際に支援先企業でこの集計をやってみて気づいたことをいくつか:

  • 商談ステージの途中離脱が多いステージが可視化されて、そこへの対策ができた
  • 失注理由をプロパティに記録していない会社が多く、失注パターンが分析できない状態だった
  • 月末に商談が集中的にクローズされている(月初に失注が多い)という季節性が見えた

限界・注意点

データ品質が悪いと集計が意味をなしません。 HubSpotへの入力が不完全(ステージ変更の記録がない、クローズ日が未入力など)な状態で成約率を集計しても、正確な数字は出ません。データクレンジングが先決です。

「正しい成約率」はビジネスモデルによって定義が異なります。 SaaSの場合、月額・年額の契約でカウントの仕方が変わります。自社のビジネスに合った定義を先に決めることが重要です。

まとめ

成約率の集計はシンプルに見えて、実は「定義」と「データ品質」の問題を先に解決しないと意味のある数字が出ません。Claude Codeを使うことで、自分で定義した式で集計できるようになり、会議で「この成約率は何の数字ですか?」と突っ込まれない状態を作れます。

次回予告

次回は「HubSpot MCPでできること・できないことの正直なまとめ」を書きます。MCPの限界を知った上で使うことが、過度な期待による失望を防ぐ近道です。

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