HubSpotとClaude Codeの役割分担【どちらに何を任せるか】

岩間悠一

岩間 悠一

元HubSpot Japan カスタマーサクセスマネージャー/Hareka合同会社 代表

200社以上のHubSpot導入を支援。現在はHubSpotコンサルタントとして独立。CRM導入から活用定着・AI連携まで一気通貫で支援しています。

「Claude CodeでHubSpotが何でもできるなら、HubSpotのワークフロー機能はもう要らないんじゃないか」——こういう発想をされる方が時々います。でも実際に両方を使ってきた私から言うと、それは間違いです。HubSpotのネイティブ機能とClaude Codeは「得意なことが全然違う」のです。どちらに何を任せるかの設計が、使いこなしのカギです。

結論:HubSpotのネイティブ機能は「リアルタイムの自動化・通知・メール送信」に使い、Claude Codeは「分析・集計・柔軟なデータ操作」に使う。 この役割分担が最も効率的です。

HubSpotのネイティブ機能が得意なこと

HubSpotには強力なオートメーション機能が揃っています。これらはClaude Codeで代替するより、HubSpotのUIから設定する方が圧倒的に楽です。

ワークフロー(自動化)

  • リードが特定のフォームを送信したら、担当者にメール通知
  • 商談ステージが変わったら、Slack通知を送る
  • コンタクトがメールを開封したら、タスクを自動作成
  • 一定期間連絡がなければ、フォローアップメールを自動送信

これらは「何かが起きたらすぐに反応する」リアルタイムな自動化です。Claude Codeはリアルタイムに動くわけではないので、こういった「トリガー→アクション」の自動化はHubSpotのワークフロー機能一択です。

メール送信・シーケンス

個別メールの送信や、シーケンス(複数のメールを時間差で送る機能)はHubSpotのUI操作が最も確実です。

フォーム・ランディングページ

リードを集めるためのフォームやランディングページの作成・管理は、HubSpotのネイティブ機能を使います。

Claude Codeが得意なこと

一方、Claude CodeはHubSpotのUIでは苦手な「柔軟なデータ操作・分析」が得意です。

複雑な条件での絞り込み

HubSpotのフィルター機能では条件の組み合わせに限界があります。「業種がIT・SaaSで、かつ従業員数が50〜200人で、かつ直近30日以内にウェブページを3ページ以上閲覧したコンタクト」といった複雑な条件もAPIなら自由に組めます。

カスタム集計・分析

HubSpotの標準レポートで出せない集計はたくさんあります。「商談ステージの途中離脱率はどこが高いか」「担当者ごとの商談化率の推移」などは、APIで自由に集計できます。

データ品質チェック

「不完全なレコードを全部洗い出す」「重複データを検出する」「特定のプロパティが入力されていないレコード数を数える」といった作業はAPIが圧倒的に楽です。

異なるツール間の連携

「HubSpotのコンタクトリストをGoogle Sheetsに書き出す」「Notionのデータベースとコンタクト情報を突き合わせる」といった異なるツール間の連携は、Claude Codeがコードを書いてくれるので比較的容易です。

役割分担の設計例

実際のプロジェクトで私が設計した役割分担の例を紹介します。

新規リード対応フロー

フォーム送信(HubSpot)

担当者への通知メール(HubSpotワークフロー)

3日後フォローアップメール(HubSpotシーケンス)

──────────────────────────────────
1週間後、フォローなしのリードを抽出(Claude Code)

担当者にSlackで一覧通知(Claude Code + Slack API)

「リアルタイムに反応する部分」はHubSpot、「定期的な分析・まとめ」はClaude Codeという分担です。

月次レポート

リアルタイムデータ収集(HubSpotが自動)

月次集計スクリプト実行(Claude Codeで作成)

レポートMarkdown生成(Claude Code)

Slackへ自動投稿(Claude Code + Slack API)

よくある間違い

間違い1:「全部Claude Codeでやろうとする」

Claude Codeはリアルタイムに動きません。「商談が動いたらすぐにアクションを起こす」という用途には使えません。

間違い2:「全部HubSpotのネイティブ機能でやろうとする」

HubSpotのカスタムレポートには限界があります。複雑な分析はAPIを使う方が柔軟です。

間違い3:「新しいSaaSを追加して解決しようとする」

「SaaSを増やすな、AIで繋げ」というのが私の思想です。HubSpotとClaude Codeで解決できることを、別のツールを導入して解決しようとするのはコストと複雑さを増やすだけのことが多いです。

限界・注意点

役割分担の設計には時間がかかります。 最初から完璧な設計はできないので、使いながら調整することが前提です。

Claude Codeのスクリプトが止まっても誰も気づかない。 定期実行のスクリプトが途中でエラーになっていても、通知がなければわかりません。「実行ログを別途記録する」か「失敗時にSlack通知を送る」仕組みをセットで作ることをお勧めします。

まとめ

HubSpotのネイティブ機能とClaude Codeは競合するものではなく、補完し合うものです。「リアルタイム × ネイティブ機能」「分析・集計 × Claude Code」という役割分担を意識するだけで、両方のツールをずっと使いやすくなります。

次回予告

次回は「HubSpotのレポートが使いにくい」という正直な話をします。標準レポートの限界と、それをどう補うかの現実的な解決策を整理します。

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