「HubSpotのデータをスプレッドシートで管理したい」——これは本当によく聞く要望です。経営者に週次で数字を共有したい、Excelが得意な人が集計したい、特定のメンバーにはHubSpotのアカウントを渡したくない……理由はさまざまです。
実はこの連携、やり方が複数あって、コストも手間も全然違います。今回は3パターンを比較しながら正直に解説します。
結論:月に1〜2回の連携なら手動エクスポート、週次なら無料ツール組み合わせ、日次なら専用ツールかAPIが現実的です。
パターン1:完全無料のやり方(Claude Code + GAS)
GAS(Google Apps Script)はGoogleが提供する無料のスクリプト環境です。HubSpotのAPIと組み合わせることで、完全無料で自動連携が実現できます。
仕組み
Claude Code(スクリプト生成)
↓
GAS(HubSpot APIを叩いてSheetsに書き込む)
↓
Google Sheets(データが更新される)
手順の概要
- Claude Codeに「HubSpotのAPIからコンタクト一覧を取得してGoogle Sheetsに書き込むGASスクリプトを書いて」と依頼
- 生成されたスクリプトをGoogle Sheetsのスクリプトエディタに貼り付け
- HubSpotのAPIキーをスクリプトプロパティに設定
- 定期実行のトリガーを設定(毎週月曜9時など)
費用:ゼロ円
向いているケース
- 取得するデータが比較的シンプル(コンタクト一覧、商談一覧など)
- 週次〜日次程度の更新頻度
- 一人運営や小規模チームで技術的な設定ができる人がいる
正直なデメリット
- 初期設定に2〜3時間かかる
- GASのタイムアウト制限(6分)があるため、大量データには対応できない
- GASのスクリプトはHubSpotの仕様変更で壊れることがある
パターン2:自動化ツール経由(Zapier/Make)
Zapier(ザピアー)やMake(旧Integromat)はノーコードで自動化が作れるサービスです。HubSpotとGoogle Sheetsの両方に対応しており、プログラミング不要で連携できます。
仕組み
HubSpotで何か起きる(例:新規コンタクト作成)
↓
Zapier/Makeが検知
↓
Google Sheetsに行を追加
費用
- Zapier:無料プランあり(月100タスクまで)。それ以上は月$19.99〜
- Make:無料プランあり(月1,000オペレーションまで)。それ以上は月$9〜
向いているケース
- HubSpotでのアクション(新規作成、ステータス変更など)をリアルタイムでSheetsに反映したい
- プログラミングに抵抗がある
- 更新頻度が多い(リアルタイム〜1時間ごと)
正直なデメリット
- 月のタスク数が増えると費用が急増する
- 複雑な条件分岐や集計はできない(単純なデータ転送が主)
- HubSpotの仕様変更でZap/Scenarioが壊れることがある
パターン3:専用ツール(Supermetrics・HubSpot公式アドオン)
本格的な連携ツールを使うパターンです。
HubSpot公式のGoogle Sheetsアドオン
HubSpotは公式のGoogle Sheetsアドオンを提供しています。Sheets内から直接HubSpotのレポートをインポートできます。
- 無料で利用開始できる(一部機能は有料)
- 設定が比較的簡単
- HubSpotのレポートをそのままSheetsに持ってこれる
ただしカスタマイズ性は低く、HubSpotの標準レポートで出せるデータしか取れません。
Supermetrics
複数のマーケティングツールのデータを一元管理できる有料サービスです。
- 月$39〜(HubSpotのみの場合)
- 柔軟なデータ取得と自動更新
- Google Sheets、Looker Studio、Excelに対応
向いているケース
- 複数のSaaSデータを組み合わせて分析したい
- 毎日自動更新が必要
- マーケティング担当者がいてレポーティングに時間を使いたくない
私の現在の使い方
正直に書くと、私自身はパターン1(Claude Code + GAS)を主に使っています。理由は:
- 費用がかからない
- 必要なデータを自由に定義できる
- 一度動けば安定している
ただし初回の設定とメンテナンスを自分でできる前提があります。「設定作業に時間を使いたくない」という方にはZapierやMakeの方が現実的です。
連携時の注意点
APIキーの管理
GASを使う場合、スクリプトにAPIキーを書く必要があります。GASのスクリプトプロパティ(外部から見えない場所)に保存することを強く推奨します。スクリプト内に直書きしたままGASを共有すると、キーが漏洩するリスクがあります。
データ量の上限
GASは一度に処理できるデータ量に制限があります(タイムアウト:6分、Sheets書き込み:1回50,000セルまで)。コンタクトが数万件ある場合は別途対策が必要です。
限界・注意点
どのパターンも「HubSpotのデータを外部に出す」行為です。 顧客データの取り扱いポリシーを確認した上で、どこまでのデータを連携するかを決めてください。特に個人情報の扱いには注意が必要です。
連携したデータを誰が管理するかを決めておく。 自動更新されるSheetsが「誰が作ってどこにある?」という状態になることがよくあります。管理ルールを先に決めることをお勧めします。
まとめ
HubSpot × Google Sheets連携は、目的と規模に合ったパターンを選ぶことが大切です。まずは一番シンプルな方法(手動エクスポート)から始めて、「もっと頻繁に欲しい」という需要が出てきたときに自動化を検討するのが現実的です。
次回予告
次回はHubSpot Starter vs Professionalの正直な違いを解説します。アップグレードすべきかどうかを判断するための基準を整理します。