HubSpot Starter vs Professional の正直な違い【アップグレード判断基準】

岩間悠一

岩間 悠一

元HubSpot Japan カスタマーサクセスマネージャー/Hareka合同会社 代表

200社以上のHubSpot導入を支援。現在はHubSpotコンサルタントとして独立。CRM導入から活用定着・AI連携まで一気通貫で支援しています。

「Starterで不満が出てきたけど、Professionalは高すぎる気がする」——この相談は本当によく受けます。価格差がかなり大きいだけに、「本当に必要か?」と慎重になるのは正しいことだと思います。私はHubSpotの両プランをそれぞれ複数社で使った経験があります。今回は忖度なしで「どちらがあなたに合っているか」を書きます。

結論:Professionalへのアップグレードを正当化できる人は「ワークフローの自動化とカスタムレポートを毎週使いたい」という人だけです。 それ以外の多くの場合、Starterで足りています。

まず価格の現実を直視する

2026年現在のHubSpotの価格(概算):

プラン月額(年払い)主な対象
Free0円試用・超小規模
Starter(CRM Suite)約6,000円〜小規模チーム
Professional(CRM Suite)約75,000円〜中規模チーム

StarterとProfessionalの価格差は月に約7万円。年間にすると約84万円です。この差額を正当化できるかどうかが判断のポイントです。

機能の正直な比較

Starterでできること(評価:十分使える)

  • コンタクト・会社・商談の管理
  • メールのシーケンス送信(個別の自動フォローアップ)
  • フォームとランディングページの作成
  • 基本的なダッシュボード(10個まで)
  • CRMデータの管理・追跡
  • 簡単なリスト作成とセグメント

正直な評価:Starterで「CRMとしての基本機能」は十分揃っています。 10名以下のチームで、主にコンタクト管理と商談トラッキングをしたいのであれば、Starterで1〜2年は十分です。

ProfessionalでSTARTERから追加される主な機能

ワークフロー(最重要)

Starterとの最大の違いはワークフローです。「○○したら△△する」という自動化をGUI(画面操作)で作れます。

  • リードが資料をダウンロードしたら、担当者にSlack通知
  • 商談が一定期間動かなかったら、タスクを自動作成
  • コンタクトのスコアが一定値を超えたら、メールを自動送信

これをStarter(またはFree)でやろうとすると、外部ツール(Zapier等)かAPIが必要です。

カスタムレポートビルダー

HubSpotのデータを自由にクロス集計・可視化できます。Starterの標準レポートに不満を感じている場合、Professionalでかなり解決します。

カスタムオブジェクト(追加料金の場合あり)

プロジェクト管理・不動産・SaaSの契約管理など、デフォルトにないオブジェクトを自由に作れます。

ABテスト

メール・ランディングページのABテストができます。

実際に「Professionalが必要だった」ケース

私が支援した中でProfessionalへの移行を勧めたのは以下のケースです:

  1. インサイドセールスチームがある:リードスコアリングとワークフローを組み合わせた自動アサインが必要
  2. マーケティング自動化が必要:複数のシナリオ(ナーチャリングシーケンス)を同時に走らせたい
  3. 経営陣へのレポーティングが週次で必要:カスタムレポートビルダーで数字を整理したい

Starterで十分だったケース

  1. 代表1人・営業1〜2人のスタートアップ:手動でのCRM管理で十分
  2. CRMをまず定着させたい初期フェーズ:高機能よりシンプルさが重要
  3. Salesforceからの移管直後:まずデータを移して、使い方を習得してから機能を増やす

「Professionalに移ったけど使いこなせていない」問題

正直に書くと、Professionalにアップグレードして機能を十分に使えていない企業をたくさん見てきました。理由は:

  • ワークフローの設計に時間がかかる
  • カスタムレポートを作れる人がいない
  • 機能が多すぎて何から手をつけていいかわからない

Professionalの機能を活かすには「設計する人」が必要です。 ツールを買っても、使いこなす人がいなければ効果は出ません。

判断フロー

以下の質問に答えてみてください:

  1. 月に10件以上の自動化シナリオを走らせたいか? → はい:Professional検討
  2. カスタムレポートを毎週自分で作りたいか? → はい:Professional検討
  3. リードスコアリングを使いたいか? → はい:Professional検討
  4. 上記すべてNo → まずStarterで1年試す

限界・注意点

Professionalの価格はユーザー数や機能によって変わります。 公式サイトの価格ページで自社のユーザー数・必要な機能を選択して正確な見積もりを取ることをお勧めします。

年間契約だと解約が難しい。 「試しにProfessionalを1ヶ月」は基本的にできません(月払いは割高)。判断を慎重にしてください。

まとめ

Professionalへのアップグレードは、「ワークフロー自動化とカスタムレポートを積極的に使う」という明確な計画がある場合に限って勧めます。そうでなければ、Starterで使いこなしてから判断する方が、無駄のない選択になります。

次回予告

次回は「HubSpotのダウングレード、すべきか迷っている方」向けに、ダウングレードの判断基準と実際の手順を解説します。

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